こっそりエランページが充実していってます。ありがとうございます。
そんでもって、第二回は乙麻呂さまの美麗イラストだったわけなのですが、これがまた「現代風」という妄想力を刺激される素晴らしいブツだったわけであります!!
で、ちょっとぽっかり時間が空いたので、さらさらと書いてみました。
おもしろくもなんともない自覚がありますが、乙さまのイラストにビビビときた方は覗いてみてくださいましです。
あたりまえにSSで収まるわけもないので、長編の最初んとこ、みたいな感じです。
完全にお遊びです。
イラストでいうと、下書きもなしに広告のウラにちょっと書いてみちゃったのをアップしちゃうよ~しちゃったよ~、みたいな感覚です。
つっこまないでね☆ (かわいくいってもな。
【ERRANT 現代風】
天野悠良は、そびえ立つビルを見上げ、ため息を吐き出した。
『株式会社ENB』とロゴの入ったオブジェが、入り口手前で待ちかまえている。悠良には、それが何を表すものか想像もつかないが、お世辞にも趣味がよいとはいえない。オブジェとはそもそも、企業イメージを表すものでなくてはならないはずだ。
三角柱の重なり合った、奇抜なデザイン。赤と青、加えて銀という色のセンス。
「感性を疑うわ」
小さくつぶやいた。これでは、『ENB』の印象は悪くなるばかりだ。
『ENB』というのは、今年社会人一年生になったばかりの姉が、四月から通っている会社だ。地元では有名な大企業らしいが、悠良にとってみれば、給料が良いらしいことも、知り合いの大人がこぞって称賛してくることも、さして重大ではない。そんなことよりも、仲の良い姉の帰りが毎日遅いことのほうがよほど問題だった。
本当なら、近づきたくもない場所だ。
それでも、進路指導会のために早く終わった高校の帰り道、遠回りしてまでここへやってきたのには、もちろん理由があった。
姉が帰ってこないのだ。
二日前から、連絡もないままに。
両親は、もう大人なんだからそういうこともあるだろうと、深く考えていないようだった。悠良にはそれが信じられない。連絡もなく姿を消すような姉ではないのだ。心配ではないのかと、呆れてしまう。
夏だというのにスーツを着込んだ大人たちが、セーラー服姿の悠良に視線をやりつつも、ビルに入っていく。
さすがに不審だろうか、着替えぐらいは持ってくるべきだった──そうは思いながらも、ここまで来て引き下がるつもりもない。悠良は、ぐっと腹の底に力を込めた。
簡単なことだ。まっすぐに受付まで行って、姉に会いに来たのだと告げればいい。それだけだ。
悠良は足を踏み出した。一歩を出してしまえば、あとはもう立ち止まることのほうが難しいように思われた。オブジェの隣をすり抜け、ガラス越しに見える、まるで飾りのような受付嬢を睨みつけるように、ずんずん進んでいく。建物の目前まで来て、ガラス製の自動ドアがひどくゆっくりと開いていくのを、いらいらと待つ。
音もなく戸が開いて、悠良はとうとう建物内に足を踏み入れた。
瞬間、目眩がした。
悠良は確かに、立っていた。その実感はあるのに、まるで天地がひっくり返ったかのように、平衡感覚が揺らいだ。
「……なに?」
よろめきそうになる。支えようと、思わず額に手を当てた。
地震ではない。もちろん、誰かに殴られたというのでもない。
胸の奥から、何かが突き上げてきた。恐ろしいほどの不快感。
「高校生が、何か?」
不意に、声をかけられた。
落ち着いた、低い声。避難するようなニュアンスはなかったのに、悠良はびくりと身を震わせた。
返事もできずに、顔を上げる。背の高い、スーツ姿の男が立っていた。
悠良は、目をまたたかせた。
意識とはまったく別のところで、何か声が聞こえたような気がした。呆けたように開いた唇から、小さな声が漏れる。
「リケイ……」
それは、本当に小さなつぶやきだった。悠良自身、それが何を意味するのかはわからない。自分の口から出た言葉だということすら、信じられない。
しかし、その一言は、男に衝撃を与えたようだった。彼は目を見開いたかと思うと、すぐに不審そうに眉をひそめた。
「どうして、俺の名を」
「名?」
今度は、悠良が眉根を寄せる。名、なのだろうか。先ほど口にした言葉が。
「ごめんなさい、ちょっと目眩がして。……あの、姉に会いに来たんですけど」
悠良は目的を忘れたわけではなかった。考えてもわかりそうにないことは、脳の端に追いやって、いわなくてはならないことを口にする。
それから、すぐに己の間違いに気づいた。この男にいって、どうしようというのだろう。
「お姉さんに? 部署はわかるかな。案内しよう」
「いえ、大丈夫です。受付の人に──」
聞きます、と続く言葉を飲み込んだ。
目を疑った。
がらんとした、無人の受付カウンター。確かにいたはずの受付嬢は、どこへ行ったというのだろう。
感じていた違和感がさらに大きさを増し、頭痛が悠良を襲う。
汗が頬を伝った。
ずっと高いところにある天井が、落ちてくるのではないかと錯覚する。
気づいてしまえば、あまりにも異様だった。
どうしてこれほどまでに、静まりかえっているのだろう。企業のエントランスに、受付嬢どころかスーツ姿のサラリーマンも、オフィスレディの姿もない。たったいままで、行き交う人の姿が、ガラス越しに見えていたのに。
いるのはただ、目の前の男だけだ。
「顔色が悪い。ちょっと、そこのイスに──」
男が、心配そうに顔をのぞきこんでくる。不思議なことに、この男の存在が、押し寄せてくる不快感とは無関係だということだけは、はっきりとわかった。
いわれるままに、身体を支えられながら、窓際のイスへと歩いていく。
しかし、声がそれを阻んだ。
場を支配する空気とはかけ離れた明るい声が、二人の上から降ってきた。
「そっちは、やめた方がいいと思うなー」
ずいぶんと軽い声。しかしなぜか、安心を誘う声だ。
男がそちらに目をやる。悠良も遅れて、声の方を見た。
二階の手すりに両手を投げ出して、青年がこちらを見下ろしていた。なぜか、右手に長い棒を持っている。
オフィスビルにそぐわない、パーカーとジーンズという出で立ち。間違っても、サラリーマンには見えない。
「なんだ、おまえは」
「どーも、どーも。うまい具合に二人そろってるね。俺はしがない貧乏学生です、どうぞよろしく」
それほど大声でもないのに、簡単に声が届いてくる。
スーツ姿の男は、初めて異変に気がついたようだった。悠良の身体は支えたままで、周囲を見わたした。
「なんだ……? どうして、誰もいない?」
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続きません。
どーもすんません。こんなの書き殴ってねー。いやーねー。
でも書いてる間はとっても楽しかったです。
イラスト万歳!
ええっ気になる!続き気になります!(ヤメ
はぁぁ、本当にさすが光太朗さまですね!一枚のイラストからここまでのお話!先に先にっと読みたくなります。憬れますー!!
乙麻呂さまの、あの雰囲気ある表情たっぷりのイラストが、こうさせたんでしょうか!
お二人とも、尊敬いたします!
今度からこんな感じでSS拝見できたりするのでしょうか・・・エラン祭り万歳★
ではでは、興奮のあまりしつれいいたしました!
これは誰かの・・・・術?、それとも記憶?の中に閉じ込められたような・・・・。
お互いに作られたキャラを演じているのに相手を目にして「これはおかしい」と気づく。
どこからか、綻んでいく・・・・そんな話になりそうだったのに。
面白かった。自信のなさそうな悠良なんて
ありえん(笑
うぅ、続きが気になるようorz
私のイラストにSSなんぞつけていただいて、本当にありがとうございます!
描くときに、物語性のあるものがいいなーと思って
きっと絵師様は三人一緒の絵を描くだろうけど、仲間なんだよね、とか色々考えて
あえて他人という設定で三人を描いてみました
現代に生まれ変わりがいたら、こんなのかなってw
なのでそれにまつわるSSが読めて、すごく楽しかったです♪
なので、是非続きを!(しつこいですね、はいorz
ちゃんと女子高生だよ! 悠良ちゃん!
続かないんですね~>< いや~ん、ざんね~ん><
って、そっか。イラストSSですもんね。。。
なんかすっごくワクワクします!
いいですね~、エラン祭!
あれ? 続かないんですか?(健忘症
でも、続きを自分で色々妄想してしまうような終わり方で…!
さすがは光太朗さまです(σ´∀`)σ(何
いえ、乙麻呂さまのあの美麗イラストがあって、この現代風エランがあるのですから…
さすがは光太朗さま&乙麻呂さまペア!!
いやん(*´∀`*)
毎日イラストを拝めるうえ、光太朗さまのエラン会話を楽しめるうえ、青蛙さまたちのコントで笑わせてくれるこの企画に乾杯☆です~(*´д`*)ムキャ
わーい>< 読んでいただけて嬉しいです! 気になりますか! そういってもらえるのもまた嬉しいです。ポイントは女子高生に優しいサラリーマンという犯罪臭と、なんかもう知らないヒトが見たら悪役にしか見えない貧乏学生です(笑
せっかくのお祭りですから、できそうなことは何でもやるつもりですよ!! 万が一リクエスト的なものがあればするなら今ですよ!(ないか。
朝から晩まで脳内エラン祭りです。しゃーわせじゃぁぁぁ><
ああああのぅ、ブログコメで小躍りしたエランイラストの件なのですが……どうしよぅどうしよぅと熟考しまして…………決めました。おふざけをください!!><
フェスタの出番の時に連動してうちとこでもババーンとしたいですっ!! うほほーい!!
>青蛙さま
三人出そろうまで、と思ってたらそんなとこでブツッとなってしまいました(笑
「もし現代にいたら」みたいなつもりで書いてましたが、術とかそんなんもありですねー。じゃあきっと乙麻呂さまの術だ(笑
まったくおっしゃるとおりの悠良の違和感(笑 だれじゃーー!! でもなんだかヒロインヒロインできて彼女も満足なんじゃないでしょうか。スキンシップとかしちゃって啓ちゃんも満足なんじゃないでしょうか。怜は……ご、ごめんね(笑
こういうのって一人で楽しんでウッヘッヘってしてたもんですが、こうして共有していただけるのって本当に幸せです。うぅ(涙
>乙麻呂さま
続いちゃったらきっと長編ですよ!(笑 でも気になるなんて嬉しいお言葉、ありがたいです><
SS、でちゃんと終われば良かったんですが、煮え切らない形で申し訳ないです。乙さまイラストの物語性にまんまとやられました(笑
もう想像するだけで楽しいですよーー>< どうやって出会うのかな、普段どんなかな、どう絡んでいくかな、とかとか。おいしいイラスト、本当にありがとうございます!!
つ、続きは……ご想像にお任せします(笑
>あかさとさま
終わりました!! 悠良ちゃんが、「いつまで私にセーラー服着せているつもりなの」って……(責任転嫁。
イラストSSは無理だったので、長編のイントロになってしまいました…。スンマセンです。でも落ち着いて考えてみて! これが完結するより、新しいエランのが良くない!? いや、どっちも書かないけどね!(マテマテ
健忘症なあかさとさまが愛おしいです。介護は任せてください。「え、朝ご飯さっき食べたでしょ」って私が二人分……(笑
>黒雛さま
そうです! 続きは妄想で!!(webで、的な。
きっとレベルアップしたアンバー君がサポートキャラで登場して、敵をばったばったなぎ倒す的な展開が待ってるんですよ……!!
いやもう充分伝わっちゃってると思いますが、誰より私が楽しんでます!! わっしょい! 祭りだわっしょい!! 私生活でもはっぴ着るかって勢いです。毎日幸せじゃーー><
こうしていっしょに楽しんでいただけるのも、もう本当に嬉しい限りです。ガシッ(捕獲音)、らぶちゅーーーーー!!!!