『かみさまロード』について語ります。
拙作の中では、ありがたくも一番アクセス数の多い『かみさまロード』。
なので、初回はこれで。
『かみさまロード』はあれです、とにかく大変だった。
諸事情で、ほとんど右手一本で書きました。
左にそれなりに重いものを抱えた状態で、カタカタカタカタ……
あれはもう修行でした。
ぜひ一度やってみていただきたい。
投稿用に書いたんですが、いわゆる「フレーズ小説」というやつで、
「だからこそ、やらなくちゃ」
というフレーズを作中に入れる、というのが投稿条件でした。
ええ全力で思いましたとも。
なんだその条件は。
でもまあ、それなりに楽しく書きました。
もともと、異世界ファンタジー、暗め、三人称、で書いてきたので、
「現代もの」「暗くないコメディ」「一人称」
と、ほぼ初めてづくし。思えば全体的に修行だった…。
主人公の晃平は、友人に「聡明なバカ」と称され、それがとても気に入っています。その矛盾感がたまらない。確かにな。聡明だけどバカ。
佑衣奈については、「相変わらずクロいねー」とか言われましたが、
そうか!? 黒いか!??
ともの申す(ここで申しても。
白い方だと信じてる。服は黒いけど。
ボツ案で、佑衣奈は悪魔、晃平が悪魔を目指してガンバル版とか、ほぼ同じ設定で異世界版とか、なんかいろいろありました。どれもこれもけっこう書いたんですが、ボツなので日の目を見ることはないでしょう。憐れ。
長編を一ヶ月程度で書き上げるという悪いクセで、後半の盛り上がりに欠けるのが難点。
他にも難点は山とありますが、そんなことここで書いてもむなしいので書かない。
──ガンバロウ。
以下、おまけ。
『かみさま~』のキャラがしゃべくってます。興味のある方だけどうぞ。
佑衣奈「クリスマスおめでとうございまーす! プレゼントください☆」
晃平「なんでだよ。なんでオレんちでパーティーだよ。このメンツはどういうことだ」
孝史「かたいこというなよ、晃平。はい、佑衣奈ちゃん、プレゼントー」
佑衣奈「さすが! タカシはわかってますね! 冬季限定お菓子の詰め合わせ! ありがとうございますー」
千鶴「……果たし状をもらったから来たのだけれど。どういうことかしら? パーティー?」
晃平「佑衣奈に騙されたってことだろ」
佑衣奈「騙すなんて、人聞き悪いですね。冗談です。知ってましたか、冗談と嘘は違うんですよ。嘘はいけないことですが、冗談はユーモアなんです」
孝史「おー! 頭良いな、佑衣奈ちゃん」
晃平「いや、でも、しっかり降ってきたから、堕天使カード」
千鶴「そういうことなら帰らせていただきたいんだけど……惣太は呼んでいないの? さっきから、ちょっと……」
晃平「……降ってきてるな」
佑衣奈「もりもり降ってきてますね」
孝史「小悪魔カード? いいことしまっくってるってことか」
千鶴「あのバカは本当にバカなのよ……」
佑衣奈「もうすぐ来るはずですよ。ゆいな、親切心でいろいろ教えたので、準備して来るはずです」
孝史「おお! 楽しみな予感!」
晃平「嫌な予感しかしない」
惣太「佑衣奈──! これで、どうだ──!」
晃平「……来やがった」
千鶴「そのいかれた格好は何?」
孝史「サンタクロース?」
惣太「違う! どいつもこいつも間違えやがって! オレは惣太だ! ソウタクロースだ!」
晃平「…………佑衣奈」
佑衣奈「なんでしょう?」
晃平「親切心とやらで何を吹き込んだ?」
佑衣奈「クリスマスという日には、世界はサンタに支配される! 彼は思うままにプレゼントを配りまくり、人々の心を魅了するのだ! サン タに負けてもいいのか! それで君は、立派な悪魔だといえるのか! ──という感じに」
惣太「三太には負けねえ!」
孝史「あー、それでその菓子の山かー」
千鶴「そこら中に配ってきたってことね……それでこのカードの山ね……ほんっとバカね……」
晃平「疲れてるな、柳原。気持ちはわかる」
千鶴「あなたのところのバカが原因よ。ちゃんとしつけなさい」
惣太「さあ! オレのこの渾身のブッシュ・ド・ノエル、クッキー、チョコレートを、食らうがいい!」
佑衣奈「いただきまーす☆」
孝史「いただきまーす」
千鶴「……帰らせていただくわ」
晃平「待て、オレもできることなら帰りたい」
佑衣奈「帰るも何もここはコーヘーのおうちですよ」
孝史「ボケたか、晃平。だめだな、そんなことじゃ。お、これうまい」
惣太「ふっ、ふはははは! 金田惣太、手始めに三太を超えたぜ! 次は佑衣奈、おまえだー!」
佑衣奈「佑衣奈に勝ちたかったら、お正月にお菓子で作ったおせち料理を持ってくることですねー」
惣太「そんなことか! へそで茶を沸かすぜ!」
晃平「…………まさか、このテンションで新年がやってくるのか……」
おしまい。
懐かしいな、おい。