気づけば、光太朗小説処が10000ヒットでした!
ありがたいーー!>< 訪問してくださるみなさま、本当にありがとうございます!
最初はエランのページだけあって、その後小説ページも作って……と徐々に増えたHPなので、正確にはいつオープンなのかよくわかっていないのですが、HPの「about」を見たら11月末でした。そんなわけで一年とちょっと。いつの間にかそんなに経ってました。
感謝の気持ちを込めて、なにか……なにかをしたいな、と思ったのですが、思いつかず……。
最初は、また指写真をとって気持ち悪い感じの指人間を懲りずに作ろうかとも思ったのですが、それもなー。なんかなー。フリーイラストみたいなのを描ければいいんですが、それもなー。丸いの描いてもなー。
と、悶々……。
エランかシャルの会話やり取りでごまかそうかな、とも思いつつ、せっかくなのでSSを書いてみました。
続編ってやつです。
私の小説の中で、もっとも続編が望まれてるのはいったいなんだ……!! と自問。そんなのナイとか言っちゃダメ。
そんなわけで、マイ脳内コンピータがはじき出した結論は、これだぁぁあ!!!
『蚊ガール2』
それかよ!!!!
ツッコミありがとうございます。
すみません、蚊ガールというのは、拙作のなかでも1、2を争うくだらない系短編です。前作『蚊ガール』はコチラ(すごく短いです。
ええと、既読じゃないとちょっとわかりづらいかと思います><
では、ブログ限定公開ということで、ちょっと読んでやるかという方は、どうぞ続きへー><
『蚊ガール2』
「あのう……ちょっと、よろしいでしょうカ」
いったい自分はどれほど疲れているというのだろう。あってはならないデジャブに、幸太はめまいを覚えた。
メガネを外し、こめかみを押さえ、息をつく。明日は高校受験日なのだ。幻を見ている場合じゃない。
「えっと、ムシしないでいただきたいのですが」
いやいやいや。幸太は首を振った。見てはいけない。気のせいだ、気のせいにちがいないのだ。
「ご主人様?」
しかし、とうとう吐息が首筋にかかる距離でささやかれ、幸太の手にしたシャーペンの芯がぼきりと折れる。ついでに心も折れた気がした。
振り返ってしまった。
そこにいる人物──にしか見えないもの──を、見る。
メイドさんだった。
会うのは、夏以来だ。そのときに教えたとおりの格好をしている。フリフリのスカートからは長い足がのび、胸は大きすぎず小さすぎず。ストレートの髪がさらりと顔にかかり、メガネは赤いフレームだ。
間違いない。
「お久しぶりです。夏には大変お世話になりました。蚊です」
わかっていたが名乗って欲しくはなかった。深々と頭を下げられ、幸太は返すべき言葉を見失う。なんと答えればいいのかわからない。
ふと、疑問がわいた。
「いまは冬だと思うんだが。どうしてまだ蚊が生息してるんだ? 血をくれということならお断りだ。明日は人生を左右する大切な日だからな」
「蚊は、夏に活発になるというだけで、いつでもいるのですよ。蚊協会の政策が成功いたしまして、わたくしたちはとても元気です」
いわれてみれば、寒くなっても蚊を目撃し、驚くことがあるような気がする。そしてそういうときの蚊は存外にたくましいのだ。
ふぅん、と返事をし、慌てて幸太は咳払いをした。
「い、いや、それはどうでもいいんだ。とにかく出ていってくれ。忙しいんだ」
毅然とした声で断った。ぷくりとした唇が目に留まるが、雑念を追い払う。ノーという勇気。
「あの、でも……」
彼女は瞳を伏せた。それから、狙いすましたような上目遣いを披露する。
「今日は、お礼にうかがったのです。一万に達した、記念に」
「……一万?」
なんの話かわからない。聞いてみたいような気もしたが、聞いてしまっては負けだという気もした。
「記念だかなんだか知らないが、とにかく……」
「お礼だけでも、させていただけませんカ?」
ぐ、と意志が揺らぐ。自分の好みを凝縮した姿なのだから、あたりまえだ。たとえ正体がアレであろうとも。
「お願いします」
断りきれずにいるのを見抜いたのか、天然なのか、肩をつかんで身を寄せてくる。
「どうか、お礼をさせてください」
「…………ちょ……」
己の中の固い意志が、白旗をあげるのが見えた気がした。ノーという勇気……勇気……──もはやはるか遠くで響く幻聴だった。
「ちょっと、だけなら」
「本当ですカ!」
彼女は顔を輝かせた。あっさりと幸太から離れると、いそいそと窓を開けにいく。
「みんな、入っておいでー」
「え」
制止する余裕などなかった。
声に応え、ぞろぞろと窓から入ってきたのは──部屋を埋め尽くすほどの、少女たち。
「いや、その……え……?」
一人や二人ではなかった。数え切れない。壁をよじ登っているのかなんのか、どんどん押し寄せてくる。
幸太は、驚くことしかできなかった。挙動不審になってしまう。なかには、目のやり場に困るような衣装の少女もいるのだ。
ミニスカートはあたりまえ、激しく肌を露出している娘もいる。かと思えば、袴姿だったり、セーラー服だったり。
そして、だれもが、かわいかった。
幸太のツボをこれでもかと押さえた、美少女の数々。
「こ、これは、どういう……」
「お礼です。わたくし、ご主人様と出会ってから、たくさん勉強しました。おかげでいまや、蚊協会会長補佐の地位に就いております。これで、蚊の未来も安泰です」
「お礼、って」
幸太の脳裏に、いやーんなお礼の図が浮かぶ。いやそんな、まだ中三なのに、そんなお礼は……でもどうしてもっていうなら断ることもないような……いやいやいや。
「幸太さま」
「幸太さま」
「幸太」
「幸太くん」
少女たちが、わらわらと群がってくる。イスに座ったままの幸太にすがるように肌をすり寄せ、それぞれが礼を述べた。
「ありがとうございます、幸太さま」
「ベ、別に、嬉しくなんかないんだからねっ」
「えへへ、幸太さまに会えるなんて、ボク嬉しいな」
バリエーションも実に豊富だ。
なんだかもう、気絶しそうだった。
やばい。
これは、想像していなかった。
しかも、どんどん数が増えている。一万、という数字が脳裏に浮かんだ。まさか一万人いるとでもいうのだろうか。
「ねえ、幸太」
妙に色気むんむんのお姉さまが、幸太の首に手を回した。馬乗りにまたがり、ぎりぎりまで唇を寄せる。
「キス、してもいいか?」
「────っっ」
胸が近い。半分ほど丸見えの胸が。唇も近い。むちむちの足が持ち上げられ、ハイヒールの先が幸太の机に乗る。
心臓が恐ろしい速さで動いているのがわかった。幸太はもう限界だ。
「やだっ、ずるぅい! 幸太さまにはあたしがキスするの!」
「私が!」
「わ、わたし、だって……!」
それぞれキャラを主張しつつ、少女たちが押し寄せてくる。
ああ、と幸太は瞳を閉じた。
オチなどわかっていた。
わかっていたが、そんなもんどうでもいいわ、と自らの頬を殴りつけたい気分だった。
いま、この幸せがすべて。
ビバ、ナウ。
「いくらでも、するがいい──!」
そうして、美少女の海に、身を投げ出した。
翌日、高校受験当日──。
全身を真っ赤に腫らした幸太は、それでも果敢に受験会場へと足を運び、見事合格。本人確認に少々手間取ったことをのぞけば、ごくスムーズに高校への切符を手にした。
そうして、高校に入学してからの幸太の行動は、実に意欲的で、かつ素早かった。
『蚊同好会 ──蚊を愛する同志求む!』
蚊萌え──新しい性癖に目覚めた幸太の明日は、きっと明るい。
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『蚊ボーイ』にしようかと本気で悩んだ結果、こうなりました。
蚊ガールだとか蚊ボーイだとか、そんなことばっかり考えていたここ数日、とても充実していたように思います。
読んでくだってありがとうございました!!!
そんなわけで、『光太朗小説処』、これからも頑張ります!!
どろんー!
丸いイラストとかも気になりましたが、SSはSSで面白かったです(笑)
蚊ガールは前にこっそりと読んだことがあるのですが、今回も予想を裏切らないオチに思わずにやけました。といいますか、その前に突っ込みました。続編って、それですか!?
最近は蚊とお会いすることもなく非常に嬉しいのですが(割と刺される人)、また暖かくなって会わなければならないと思うと……憂鬱です、彼と違って(笑)
これからもホームページの運営の方も応援しています!
そして、おまけSSも面白かったです。あ、もちろんタイトルに突っ込んだ僕は負けですか、そうですか。
ともかく、このレベルのSSをさらりと投下できるあたり、光太朗さんに嫉妬してしまいそうです。対抗して僕もなにかSSを……、せっかくのお祝いだしリクエストとかなんかありますか?
ss、読んでくださって嬉しいです>< 蚊ガールの方も読んでいただけていたのですね。すみませんこういうの好きで(笑 勢いで書いたあと、くだらないなぁ……と遠い目をしました(笑
私も本当に蚊ってダメです。冬に希に出会うヤツらは強くて最悪です。蚊萌えとか信じられないです(と突き放す/笑
応援ありがとうございます! 頑張りますーー!!><
ssも読んでくださってありがとうございます、嬉しいです>< つっこみも心から嬉しいです。いやだってつっこんでもらわないとあまりにもむなしいっ(笑
そ、そんな高レベルなものでも……//// うう、恐れ多いです。って、何か書いてくださるので!!? で、では、コメディコメディしたものが読みたいです! 明るい感じで! えーと、じゃあ、5分企画の練習って感じの長さというのはどうでしょう??(要求多すぎですか?;
もし書いていただけるのなら、ぜひ! 楽しみにしていますー!